宗義

唱題(南無妙法蓮華経)の意義について(2)

四条金吾殿御返事(四条第十三書)     建治二年六月 五十五歳作     一切衆生南無妙法蓮華経と唱るより外の遊楽なきなり。経に云「衆生所遊楽」云云。此文あに自受法楽にあらずや。衆生のうちに貴殿もれ給べきや。所とは一閻浮提なり日本国は閻浮...
宗義

摂受と折伏について

夫れ摂受折伏と申す法門は水火のごとし。火は水をいとう。水は火をにくむ。摂受の者は折伏をわらう。折伏の者は摂受をかなしむ。無智悪人の国土に充満の時は摂受を前きとす。安楽行品のごとし。邪智謗法の者の多き時は折伏を前きとす。常不軽品のごとし。譬え...
念仏無間

念仏は無間地獄に堕ちること(7)

浄蓮房御書  建治元年六月 五十四歳作細美帷一送り給候畢ぬ。善導和尚と申す人は漢土に臨シと申国の人也。幼少の時密州と申す国の明勝と申す人を師とせしが、彼の僧は法華経と浄名経を尊重して、我も読誦し人をもすゝめしかば善導に此を教ゆ。善導此を習ひ...
四箇格言

四箇格言まとめ(2)

与北条弥源太書 文永五年去る月御来臨、急ぎ急ぎ御帰宅、本意無く存ぜしめ候ひ畢んぬ。  抑そも蒙古国の牒状到来の事、上一人より下万民に至るまで、驚動、極まり無し。然りと雖も、何の故なること、人、未だ之を知らず。日蓮兼ねて存じせしむる之間、既に...
三悪道

餓鬼・畜生道とは

餓鬼道と申すは其の住処に二あり。一には地の下五百由旬の閻魔王宮にあり。二には人天の中にもまじつて其の相種種也。或は腹は大海の如く、のんどは鉄の如くなれば、明けても暮れても食すともあくべからず。まして五百生七百生なんど飲食の名をだにもきかず。...
講記

御義口伝名言集

本門の事常住無作の三身に對して迹門を無常と云也。今日蓮等之弘通の南無妙法蓮華經は體也心也。二十八品は用也。二十八品は助行也。題目は正行也。されは下至阿鼻地獄の文は佛光りを放て提婆を爲令成佛也と日蓮奉推知也。惡導師とは法然。弘法。慈覺。智證等...
講記

御講聞書目録名言集

今末法は南法妙法蓮華經の七字を弘めて利生得益あるへき時也。されは此題目には餘事を交へは僻事なるへし。所詮法華經の意は煩惱即菩提。生死即涅槃。今日本國の一切衆生法華經の法音を聞と云へとも未能信。豈に疑網皆已除ならんや不除者入阿鼻獄は無疑也。疑...
念仏無間

念仏は無間地獄に堕ちること(6)

法華浄土問答鈔 文永九年(1272年.正・17)<図略>弁成の立つ。我が身叶ひ難きが故に且く聖道の行の捨閉閣抛し浄土に帰し、浄土の往生して法華を聞いて無生を悟るを得る也。  日蓮難じて云く 我が身叶ひ難ければ穢土に於て法華経等・教主釈尊等を...
人物

天台大師とは

大夫志殿御返事 弘安三年(1280)小袖一・直垂三具・同じく腰三具等云云。小袖は七貫、直垂竝びに腰は十貫、已上十七貫文に当れり。  夫れ以みれば天台大師の御位を章安大師顕して云く 止観の第一に序分を引いて云く_安禅而化。位居五品。故経云 施...
人物

三大師(弘法・慈覚・智証)のまとめ

弘法・慈覚・智証等は皆仏意に違ふのみにあらず、或は法の盗人、或は伝教大師に逆らへる僻人也。故に或は閻魔王の責めを蒙り、或は墓墳無く、或は事を入定に寄せ、或は度度大火大兵に値へり。権者は恥辱を死骸に与へざるの本文に違するか。『大田殿許御書』日...