お経といえば般若心経ということで、近年この経が流布しているため多くの皆さんは般若心経が最高の経典だと思っているでしょう。
ですが、実はそうではありません。最高の経典とは、法華経です。
般若心経と法華経、どっちが勝るかと問われれば、法華経なのです。
なぜでしょうか?
まず、経が説かれた順序を追えば、般若心経が先で法華経が後です。釈尊が説かれた経典は、浅い教えから段々深い教えに至っていくのが通例です。
般若経は般若経の前に説かれた小乗経と方等部の大乗経には勝りますが、般若経の後に説かれた法華経には及びません。
また、法華経には法華経以前に説かれた経を方便と下し、法華経を「諸経の中の王」「一切経の中の第一」であるという証文が多々ありますが、般若経には般若経以外の一切経を下す文は見られません。
法華経の直前に説かれた無量義経には、「四十余年には未だ真実を顕さず」という重要な経文があります。これは無量義経以前の四十余年の間に説かれた、般若心経を含む経典には真実を顕していない、妄語であるということです。この無量義経は法華経の序分に当たります。
釈尊が説かれた大乗経は二つに分かれます。権大乗経と実大乗経です。権大乗経には般若経・華厳経・維摩経等が含まれます。実大乗経は法華経です。権大乗経の「権」とは仮の教えのことで、その教えは真実の法華経に導くための、仮の方便であるに過ぎません。故に権大乗経は実大乗経に劣るのです。
また、無量義経には「摩訶般若 乃至 無量無辺不可思議阿僧祇劫を過ぐれども、終に無上菩提を成ずることを得ず。所以は何ん、菩提の大直道を知らざるが故に」との経文があります。
これはつまり、般若経などの爾前の経を無量劫、永遠に行じても菩提は得られない、成仏できないということです。
般若心経が流行っているからといって、般若心経が一切経で一番勝っているというわけではありません。ただ、経典の勝劣を、経典に説かれる通りに順序を追っていけば、必然的に法華経が第一ということになるのです。
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