文章の書き方の基本

最近、文章力を上達させる本をよく読んでいます。
自分なりに要点をノートにまとめたので公開します。

■表記の原則

  • 本来の意味のない形式名詞は仮名書きにする
    例 「事、為、所、時、程、故、位」

  • 意味のない当て字の漢字は使わない
    例 「出来る→できる」(「出て来る」の意味はない)

  • 2通りに読める感じはかな書きで区別する
    例 「頃→ころ/ごろ・等→など/とう・良い→よい/いい・他→た/ほか」

  • 漢字の使い分けによる意味の区別もできる。
    例 「ある→有る/或る・と言う(伝聞的)/という(口に出す)」


  • カタカナ語は日本語に直して、省力後は原語に戻して使う。
    例「メリット→長所、利点。」

  •  タテ書きの文章では漢数字、ヨコ書きの文章では算用数字を使う

マルの打ち方

  • 文章の題名やスローガンなどにはつけない

  • カギカッコでくくった会話の終わりにもつけない。()の場合も同じ
    例「楽しみだ。」→「楽しみだ」 

カッコの使い方

  • セリフ、引用のみならず、感じたこと考えたことも「」で括る
    △ビジネスマンは自分の健康は、自分で守らなければならないと自覚すべきだ。
    〇ビジネスマンは「自分の健康は、自分で守らなければならない」と自覚すべきだ。

テンの打ち方

  • つづいて読まれると誤解されるところに打つ
     「久美子もあわてて私が調査した資料を読んだ」
    (あわてたのは私)久美子も、あわてて私が調査した資料を読んだ。
    (あわてたのは久美子)久美子もあわてて、私が調査した資料を読んだ。

  • 重文の切れ目には原則として打つ
     「都会へ出てから、私はまた仕事を始めた」

  • 文を並列する助詞「たり」は、すべてにつける
    △「2人で食事をしたり映画を見た」
    〇「2人で食事をしたり、映画を見たりした」

  • 閉じるカギの代わりに使わずに、文構造を示すために使う
    △「そんなことは知らない、と言ったので私は腹が立った」
    〇「そんなことは知らないと言ったので、私は腹が立った」

  • 文頭のトキ・トコロのあと
    「この 2,3 年来、私は年に1度くらいの割合で病気をする」
    「ある晩、兄が私の寝ているところへ来た」

  • ある語句を次につなぐのではなく、先へつなげるときには、切りはなすために打つ
    △「たしかに1つの進歩と言える」
    〇「たしかに、1つの進歩と言える」

  • 並立された「あるいは」「つまり」「いわゆる」のあとのテンは不要
    △「その現象は、共鳴、あるいは、共振というべきである」
    〇「その現象は、共鳴、あるいは共振というべきである」

  • 「ないし」「および」の前後にテンも不要
    △「日本の文化都市には、京都、ないし、大阪とがある」
    〇「日本の文化都市には、京都ないし大阪がある」

  • 「」をいくつか並べるとき、「」「」の間のテンは不要

  • 語句をつなげるために区切る(主文素が述文素につながるのを避けるためなど)
    例 「私は、これら3人のために、私の言うべきことをいい、説明すべきことを説明したつもりである。
    例「当時、2番目と3番目の兄はまだ南校へ通っていた」

  • 強調したいとき
    「息子の気持ちを知り、辛かった」
    「この犯人だけは、許せない」
    「学校には、だれもいなかった」

  • 〈〉でくくった名詞句の内部をまとめるために、テンを外すことがある
    △「現在は、「悪文時代」と呼ぶことが、ふさわしいのではないかと私には思われる。」
    〇「現在は「悪文時代」と呼ぶことがふさわしいのではないかと、私には思われる。」

※「テンは息づかいで打つ」とも言われる

■文の構成

  • いっぺんに言おうとせず、句点で切ってまとめる。

  • 順番を入れ替え、論理が通るようにする。

  • 説明不足はないか。あったら文を付け足す。

  • 文相互の関連を踏まえて、丁寧につなぐ。

  • 重複表現のまとめ上げ。脇筋の刈込む。

  • 読ませ所に強調やメリハリ表現、適切な助詞を使う。

  • 長い修体文素のついた名詞句は、文のかたちに書き換えられる。
    △「隣の魚屋からサンマを加えて逃げたネコ」
    〇「ネコが隣の魚屋からサンマをくわえて逃げた。」

  • 修体文素とまとめの名詞のあいだにテンを打たなくてすむような文構造にする。
    △「友だちにもらった、わたしの大切な本をなくしてしまった。」
    〇「わたしは友だちにもらった大切な本をなくしてしまった。」

■表現(語句の使い方)

  • 最大級の修飾語は必要最小限にする。
    例「とても、非常に、最高に、大変、本当に、絶対(に)」

  • 「ことができる」という言い回しは、可能動詞や可能の助動詞で簡略化できる。
    △「鈴木さんは泳ぐことができる」
    〇「鈴木さんは泳げる」

  • 補助動詞の「ている」「ていた」は文をたるませる。状態が継続する意味に限って使う。
    △「私は友人を見ていた」
    〇「私は友人を見た」

  • 主張は疑問文や否定文ではなく肯定文ですること。
    △「それが正しいのではないでしょうか」
    〇「それが正しい」

  • 敬語では、謙譲よりも尊敬を基本とする。
    △「ご乗車いただき」
    〇「ご乗車くださり」
    △「おいでいただきありがとうございます。」
    〇「おいでくださりありがとうございます。」

  • 「なぜなら……から」のかたちの文では、接続語の「なぜなら」が削れる。
    例「その日私は遅刻をしてしまった。〔なぜなら〕、二日酔いで朝寝坊したからだ。」

  • 動詞に加えた動作をイメージさせる補助動詞に注意する。「~てみる」「~ておく」など。
    △「わたしはその作品を手にとってながめてみた。」
    〇「私はその作品を手にとってながめた。」

  • 「というもの」「のようなもの」は文の言い回しをたるませる。
    △「日本語というものが正しく使われるようになるためには、日常の習慣が大切だ。」
    〇「日本語が正しく使われるためには、日常の習慣が大切だ。」

  • 裏返しの言い方で主張を表現しない。たとえば、「しないとしない」は皇帝の主張に書き直す。
    △「毎日しっかり勉強しないと合格はできない。」
    〇「毎日しっかり勉強すると合格できる。」

  • 「~を踏まえて」「~の中に」「~の上で」などは簡潔にする。
    △「いろいろな体験をした中で考えたことがある。」
    〇「いろいろな体験をして考えたことがある。」

  • 二重に意味が取れる「ように」「ような」は、一つの意味になるようにする。
    例①△「僕のように才能がないと作家にはなれない。」
    ②〇「僕のように才能があると作家になれる。」
    ③〇「僕のように才能がないから君も作家にはなれない。」

  • 理論文では話口調のひとりごと言葉を使わない。
    △「会社の方針について、やっぱり部長の考えを聞くことにした。」
    〇「会社の方針について、やはり部長の考えを聞くことにした。」

  •  文章は常に「全国区」
    「全国どこの読者にもわかる」ことを第一に考える努力が大切

  • 表現を文の内容や性質に合わせる
    難しすぎていないか。不適切でないか。異なる分野の用語を使っていないか

  • 余計な前置きは要らない。本題から書く。

  • 虚飾を省く
    余分な語句がまとわりついていないか。誇大表示になっていないか。
    ひとりだけで「盛り上がって」いないか。読者を置き去りにしない。

参考:『文章添削の教科書』付録―添削の基本原則のまとめ

おすすめの本

実際に文章力の本をいくつか読んで、参考になった本を紹介します。

 

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