仏法の余

外道とは

善星比丘は仏の菩薩たりし時の子なり。仏に随い奉り、出家して十二部経を受け、欲界の煩悩を壊りて四禅定を獲得せり。然りと雖も悪知識たる苦得外道に値い、仏法の正義を信ぜざるに依て出家の受戒十二部経の功徳を失い生身に阿鼻地獄に堕す。外道は五通を得て...
宗義

大乗と小乗について(2)

第三に大小乗を定むることを明かさば。  問て曰く 大小乗の差別、如何。  答て云く 常途の説の如きは阿含部の諸経は小乗也。華厳・方等・般若・法華・涅槃等は大乗也。或は六界を明かすは小乗、十界を明かすは大乗也。其の外法華経に対して実義を論ずる...
宗義

大乗と小乗について

小乗大乗分別鈔 文永十(1273)夫れ小乗大乗の定めなし。一寸の物を一尺の物に対しては小と云い、五尺の男に対しては六尺七尺の男を大の男と云う。外道の法に対しては一切の大小乗の仏教を皆大乗と云う。_大法東漸 通指仏教 以為大法等と釈する是れ也...
人物

提婆達多とは

仏は浄飯王の太子、提婆達多は斛飯王の子也。兄弟の子息同じく仏の御いとこ(従弟)にておわせしかども、今も昔も聖人も凡夫も人の中をたがえること、女人よりして起こりたる第一のあだにてはんべるなり。釈迦如来は悉達太子としておわしし時、提婆達多も同じ...
経典事

涅槃経について

問て云く 法華経と涅槃経と何れか勝れたる乎。 答て云く 法華経勝るる也。 問て曰く 何を以て之を知るや。 答て曰く 涅槃経に自ら如法華中等と説いて更無所作と云う。法華経に当説を指して難信難解と云わざる故也。 問て云く 涅槃経の文を見るに、涅...
経典事

自我偈について

今の施主十三年の間、毎朝読誦せらるる自我偈の功徳は_唯仏与仏。乃能究尽〔唯仏と仏と乃し能く究尽したまえり〕なるべし。  夫れ法華経は一代聖教の骨髄なり。自我偈は二十八品のたましいなり。三世の諸仏は寿量品を命とし、十方の菩薩も自我偈を眼目とす...
仏法の余

法華経の行者について(2)

問て云く 末代の法華経の行者を怨める者は何なる地獄に堕ちるや。  答て云く 法華経の第二に云く_見有読誦 書持経者 軽賎憎嫉 而懐結恨 乃至 其人命終 入阿鼻獄 具足一劫 劫尽更生 如是展転 至無数劫〔経を読誦し書持すること あらん者を見て...
仏法の余

法華経の行者について

法華経第七に云く_四衆之中。有生瞋恚。心不浄者。悪口罵詈言。是無知比丘。従何所来 ~ 或以。杖木瓦石。而打擲之 乃至 千劫於阿鼻地獄。受大苦悩〔四衆の中に瞋恚を生じて心不浄なるあり、悪口罵詈して言く 是の無知の比丘、~ 或は杖木・瓦石を以て...
地理・歴史

日本の仏教史(2)

四条金吾殿御返事(四条第十八書)(告誡書)建治三年 五十六歳作。   御文あらあらうけ給て、長き夜のあけとをき道をかへりたるがごとし。夫仏法と申は勝負を先とし、王法と申は賞罰を本とせり。故に仏をば世雄と号し王をば自在となづけたり。中にも天竺...
般若心経

般若心経は未顕真実の権経

今の世に、般若心経の読誦や写経が流行っているが、般若心経を一切経の第一と決め付け、法華経を下すのは阿鼻に堕つべき僻見である。 なぜなら般若心経が説かれた後の無量義経にまず云く_四十余年。未顕真実。〔四十余年には未だ真実を顕さず〕と。般若心経...