経典事

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涅槃経について

問て云く 法華経と涅槃経と何れか勝れたる乎。 答て云く 法華経勝るる也。 問て曰く 何を以て之を知るや。 答て曰く 涅槃経に自ら如法華中等と説いて更無所作と云う。法華経に当説を指して難信難解と云わざる故也。 問て云く 涅槃経の文を見るに、涅...
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自我偈について

今の施主十三年の間、毎朝読誦せらるる自我偈の功徳は_唯仏与仏。乃能究尽〔唯仏と仏と乃し能く究尽したまえり〕なるべし。  夫れ法華経は一代聖教の骨髄なり。自我偈は二十八品のたましいなり。三世の諸仏は寿量品を命とし、十方の菩薩も自我偈を眼目とす...
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方便品と寿量品について

此方便品と申は迹門の肝心也。此品には仏十如実相の法門を説て十界の衆生の成仏を明し給へば、舎利弗等は此を聞いて無明の惑を断じ真因の位に叶ふのみならず。未来華光如来と成て、成仏の覚月を離垢世界の暁の空に詠ぜり。十界の衆生の成仏の始は是也。<中略...
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法華経とは

法華経は一代聖教の肝心、八万法蔵の依りどころ也。大日経・華厳経・般若経・深密経等の諸の顕密の諸経は震旦・月氏・龍宮・天上・十方世界の国土の諸仏の説教恒沙塵数也。大海を硯水とし、三千大千世界の草木を筆としても書き尽くしがたき経経の中をも、或は...